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前立腺がん末期における治療

前立腺がん末期の治療法には選択肢の幅が少ない

末期にいたる前の前立腺がんであれば、状態に応じてさまざまな治療法が用意されています。主な治療法は、外科手術や化学療法、放射線療法、内分泌療法、待機療法(※)などです。

いずれの治療法も、ステージに応じては非常に有効な選択肢です。しかし残念ながら、末期の前立腺がんにおいては、これら治療法のどれもが適応となるわけではありません。

詳細は後述しますが、前立腺がん末期に対する治療法のメインは、内分泌療法です。前立腺がんは男性ホルモンの影響で悪化する傾向があるため、薬剤投与や外科手術を通じ、男性ホルモンの働きの抑制を目指すのが、前立腺がんにおける内分泌療法です。

内分泌療法に加え、状況に応じ、または主治医の判断に応じ、放射線療法や化学療法が採用される場合もありますが、あくまでも内分泌療法の補助的な治療に留まります。

がんの進行の程度によっては、余生のQOLを高めるための緩和療法がメインに採用される場合もあります。

前立腺がんが末期になると、治療法の選択肢が限定されます。早期発見を目指し、こまめに検診を受けることが何より大事です。

※待機療法…あえて治療を行わず、経過観察をする方法。一般に前立腺がんの進行は遅いことが多いため、経過観察をしながら状況に応じて治療を行う、というスタンス。

メインは内分泌療法(ホルモン療法)

ほとんどの医療機関において、末期の前立腺がんに対しては内分泌療法(ホルモン療法)が採用されます。

上述のとおり、前立腺がんは男性ホルモンに大きく依存している病気です。治療によって男性ホルモンの分泌量を抑えることで、がんの進行の抑制を目指します。

内分泌療法(ホルモン療法)には、主に以下のような種類があります。

LH-RHアゴニスト + 抗男性ホルモン

LH-RHアゴニスト注射を1ヶ月に1回のペースで受け、かつ抗男性ホルモン薬の服用を毎日行う治療法。近年、前立腺がんの末期における治療法としては、この方法が主流です。

外科手術による睾丸摘出

男性ホルモンの約95%は睾丸から分泌されているため、外科手術で睾丸を摘出することにより、前立腺がんの進行を抑制することができます。

これら内分泌療法(ホルモン療法)に加えて、状況に応じて放射線療法や抗がん剤治療などが併用される場合もあります(骨に転移が見られる場合には、該当する骨に対してのみ放射線を照射する、など)。

内分泌療法(ホルモン療法)のメリット・デメリット

内分泌療法(ホルモン療法)には、以下のようなメリット・デメリットがあります。

メリット

ほとんどの患者で効果が見られる

治療を開始すると、ほとんどの前立腺がんの末期の患者に対し、改善効果が見られます。

体への負担が小さい

薬剤のみでの治療の場合は、体への負担が小さいという点もメリットでしょう。

デメリット

時間とともに効果が薄れてくる

内分泌療法(ホルモン療法)の効果は、時間とともに薄れてくると言われています。治療を開始して2~10年で効果がなくなる、とする説もあります。

副作用がある

薬剤による治療には、さまざまな副作用が現れます。主な副作用としては、顔のほてり、女性化乳房(乳首が硬くなるなど)です。

持病によっては適応外となる

心血管系の病気を有している患者に対しては、薬剤の投与がしにくいとされています。

薬代が高額

薬剤が高額なため経済的負担が大きくなります。

痛みを緩和させてQOLを高める選択肢もある

すべての種類のがんの中で、前立腺がんの生存率はもっとも高いことが知られています。たとえ末期にいたっても5年生存率が30%以上と、進行が緩やかであることが前立腺がんの特徴です。中には、継続的に治療を受けることで、末期の患者でも天寿を全うするケースも見られるため、末期と診断された場合でも極度に絶望せず、主治医としっかり治療計画を相談することが大切です。

ただし、中には万策を尽くした末に、がんの痛みと闘うのみの状態となる患者がいることも確かです。その場合には、痛みの緩和を通じたQOLの向上を目指すことも選択肢の一つとなるでしょう。

前立腺がん末期においては、骨への転移が多く見られるため、骨の痛みを和らげるために「骨セメント注入」が行われることがあります。

その他、症状に応じて段階的に鎮痛剤を用いることで、余命のQOLの向上を図ります。

参照元:弘前大学医学部付属病院泌尿器科「弘前大学泌尿器科における前立腺癌の診断と治療」

参照元:がん研有明病院「前立腺がん」

参照元:NHK健康ch「前立腺がんの進行度に合わせた治療法」

参照元:公益財団法人長寿科学振興財団「前立腺がん末期」