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尿が出にくい場合の治療方法

ここでは尿が出にくくなる症状に対する治療方法を紹介します。

治療方法

尿が全く出ないのは、膀胱の働きをコントロールできなくなったり、前立腺が肥大化し膀胱や尿道が合圧迫されたりすることが原因だと考えられています。

膀胱に溜まった多量の尿が排出できない症状の場合は、カテーテル(細い管)によって強制的に排尿させながら、膀胱の働きをコントロールできるように治療。

前立腺の肥大が原因の場合は、前立腺を縮小させる薬を投与して排尿機能の改善を図ります。また、異物が尿道を塞いでいる場合は内視鏡を挿入し、異物を切除する手術を行なうなど、症状や原因によって治療法は変わります。

前立腺がんの場合の治療方法

尿が出にくい原因が前立腺がんだった場合は、ホルモン療法によってがんの進行を遅らせつつ、αブロッカーの処方やカテーテルで排尿を補助。排尿機能がなかなかに改善できないと、一定期間尿道ステントと呼ばれる管を尿道に入れたままにして、強制的に排尿させる方法が用いられます。

さらに、抗がん剤の投与・放射線治療でがんを縮小させたり、内視鏡手術で圧迫しているがんを電気メスで切除したりして、尿の通り道を拡げて排尿機能の改善を図るのです。がんが進行して排尿機能が改善できない場合は、背中から腎臓に管を通して直接尿を排出する尿路変更と呼ばれる方法で尿を排出します。

ホルモン療法

がんの進行を遅らせるためにはホルモン療法を行ないます。主に排尿機能の改善や骨に転移したがんの痛みを軽減するために用いられる方法です。がんを完全に除去できるとまではいきませんが、ある程度進行した前立腺がんでも8割ほど症状を回復することが期待できます。

前立腺がんは男性ホルモンであるテストステロンによって成長が促進されるので、注射や内服薬でテストステロンの分泌を抑制させるのです。手術・放射線治療が難しい場合や、がんが他の臓器に転移した場合などにも用いられることがあります。

αブロッカーで排尿改善

ホルモン治療と同時にαブロッカーという内服薬を処方して排尿の改善を図ります。ホルモン療法は効果があらわれるまで時間がかかるため、早めに排尿機能を改善できるαブロッカーが用いられるそうです。αブロッカーには膀胱の筋肉をリラックスさせて、排尿しやすくする作用があります。αブロッカーの処方は、がんの治療というよりも排尿機能の改善に用いられる治療方法。前立腺がんだけではなく前立腺肥大症を発症した方にも用いられます。

ただし、副作用として血圧を低下させるので、医師の指導のもと適切な量を守りましょう。

カテーテルで強制排尿

薬を投与しても症状が改善されず、尿が出ない・残尿・尿漏れなどの排尿機能に障害があらわれた場合、カテーテル(細い管)を使って強制的に排尿する方法がとられます。カテーテルを尿道から膀胱まで挿入し、自動的に排尿できるようにするのです。がんが縮小するまで尿道に入れたままの「バルーンカテーテル」と、自分で定期的に挿入する「自己導尿カテーテル」の2種類があります。前立腺がんが縮小して排尿機能が回復すると、カテーテルによる強制排尿は終了です。