前立腺がんを改善したい人のための情報サイト
前立腺がんを改善したい人のための情報サイト
こちらのページでは、「尿が出にくい」という症状を予防するための3つの方法をご紹介しています。日頃の生活の中から対策していきましょう。
「尿が出にくい」という自覚症状がよくある原因として前立腺肥大があります。まずは以下の3つの方法を試してみましょう。
前立腺肥大は肥満や生活習慣病と大きな関わりがあります。故に、脂質や塩分などが多く含まれる食事はなるべく避けましょう。
また、唐辛子など辛い食べ物、刺激が強い食べ物は腸が必要以上に活発化し、膀胱や前立腺に炎症が起きることもあります。
コーヒーやお茶などに含まれるカフェインは利尿作用があり、膀胱を過剰に刺激することで前立腺肥大を悪化させる危険性があります。
脂質、塩分が多いもの、辛い食べ物、コーヒーは摂取しすぎないよう心がけましょう。
一方、カロテンやビタミンC、鉄分、イソフラボノイド、リグナンなどは前立腺肥大を抑える働きがあると言われています。野菜、豆(特に大豆)、ごまなどを摂取すると良いでしょう。
適度な水分を摂ることで排尿を促し、スムーズにおしっこが出るようになります。とはいえ、あまりにも水分を摂りすぎると今度は頻尿の原因となってしまいます。
1日1.5リットルの水分補給が良いとされていますので、尿が出にくい場合は少し多めに水分を摂ってください。
先程「カフェインは良くない」と解説しましたが、「尿をスムーズに出す」という観点で見れば、適量であればむしろ利尿作用があって前立腺肥大に効果があると言えます。
排尿を促す運動も効果的です。股間周りの筋肉を引き締めることで、尿トラブルを防ぐ効果があると言われています。
両足を肩幅よりも少し大きくなるくらいに開いて立ち、深呼吸をしながらゆっくりと膝を曲げ、息を吐きながら膝を伸ばすという簡単な運動を10回、1日3セット行うだけです。
以上、日常生活の中から尿が出にくい場合の対策方法をご紹介しました。
しかし、あまりにも症状がひどかったり、対策しても治らない場合は、前立腺がんなど別の病気の可能性もあります。
「毎日対策してるから大丈夫」と思い込まず、違和感があったらすぐに検査を受けましょう。
前立腺系疾患の中で最も多くみられるのが、前立腺肥大症です。推定患者数は400万人 。55歳以上の男性のうち、5人に1人は前立腺肥大症だと言われています。
前立腺の尿道に近い部分を内腺、尿道から遠い部分を外腺と言いますが、前立腺肥大症は尿道から近い「内腺」に良性腫瘍ができる疾患。前立腺がんは外腺に発生した悪性がん腫瘍が肥大したもので、前立腺肥大症とはメカニズムや症状が異なります。
前立腺肥大症は30代から増えはじめ、50代以降に急増します。名古屋大学大学院医学系研究科の後藤百万教授が組織学的にみた前立腺肥大症の罹患率は以下です。
前立腺肥大症の詳しい原因は明らかになっていませんが、年を重ねると男性ホルモンの環境が変化するため、男性ホルモンの影響によるものだと考えられているようです。 また、生活習慣病に関連する症状(メタボリックシンドローム、高血圧、高血糖など)が前立腺肥大症に関係しているという声もあがっています。
前立腺肥大症になると現れるのは尿関連の症状です。前立腺肥大症の症状は前立腺がんの症状ととてもよく似ています。
前立腺の内腺にできた良性腫瘍が肥大すると尿道が圧迫されてしまうため、尿が出にくくなります。また、腫瘍がさらに大きくなると膀胱を圧迫し、膀胱に尿を溜め込めなくなるため、頻尿や尿漏れ、失禁などの症状が起こるのです。
前立腺肥大症の腫瘍は良性なので、腫瘍が小さい場合は治療しなくても問題ありません。しかし、生活に支障が出るほど症状が悪化している場合は、次のような合併症が起こる可能性があるため注意が必要です。
前立腺肥大症の治療には、薬物療法、手術、保存療法などがあげられます。薬物療法は、こわばった前立腺平滑筋をゆるめる薬剤を投与して尿道の圧迫を緩和したり、男性ホルモンの作用をおさえる薬剤を投与して前立腺を小さくしたりする方法です。 手術では、電気メスやレーザー、マイクロ波などで肥大した前立腺を切除、または縮小します。 保存療法では、生活習慣の改善や運動で前立腺肥大症にアプローチ。水分やコーヒー、アルコールの摂取量や運動量を指導して、定期的な経過観察を行ないます。
尿道狭窄症の代表的な原因は、股間の強打や骨盤骨折による尿道損傷。はしごや鉄棒、柵をまたぐ際などに足を滑らせた、股間を蹴られたなど、誰にでも起こりうる事故によるものが多いため、注意が必要です。また、大きな事故(交通事故や重機による事故など)で骨盤を骨折して、尿道狭窄症になるケースもあります。
昔は、淋病性尿道炎によって尿道粘膜が腫れあがり、尿道狭窄症が起こるケースが多かったのですが、現在は抗菌薬を投与することで炎症を鎮め、後遺症なく治癒できるようになっています。
排尿がうまくいかない際、尿の通り道を確保するために行なわれる処置・検査・手術によって尿道粘膜が傷つき、尿道狭窄症になるケースがあります。これが医原性(医療行為が原因)の尿道狭窄症です。高齢者の尿道狭窄症は、ほとんどが医原性によるもの。元は外傷によって尿道を損傷した場合も、尿の通り道を確保するために挿入したカテーテルによって狭窄が悪化することがあります。
男性の尿道は女性よりも長いため、大きく5つにわけられます。
この中で、最も尿道狭窄症になりやすいのは、足を滑らせたり、蹴られたりしたときにダメージを受けやすい「球部尿道」です。原因によっては、その他の尿道で起こるケースもあります。
尿道狭窄症になると、前立腺がんや前立腺肥大症と同じように「排尿障害」が起こります。 ただし、前立腺がんや前立腺肥大症でみられる頻尿や強烈な尿意などの症状はありません。 前立腺がんや前立腺肥大症は、腫瘍が尿道や膀胱を圧迫するため、相反する症状(尿が出にくい・尿が何度も出る)が現れます。
対して、尿道狭窄症は尿道そのものが狭まる疾患で、膀胱は圧迫されません。尿道の傷跡が悪化すればするほど尿の通り道が狭くなり、最終的には力んでも尿が出なくなる可能性があります。そのほか、尿道狭窄症になると肛門から睾丸にかけて激しい痛みが生じたり、尿道や前立腺、精巣といったさまざまな部位で炎症が起こったりします。
「尿が出にくい」と言う症状をあまくみていると、尿度狭窄症が悪化して合併症が起こり、生活に重大な支障をきたす可能性があります。起こりうる合併症をまとめているので、ご確認ください。
前立腺肥大症の代表的な治療方法は以下の2つです。
尿道を狭くしている傷あとを切除する手術です。成功率が高いのが大きなメリット。 尿道にメスを入れる高難易度の手術で専門的な技術を要するため、一部の医療機関でしか導入されていないのがデメリットです。また、手術は全身麻酔を用いて行なわれ、術後は長期間の入院が必要となります。
金属の棒や風船で尿道を拡張する治療です。病院によっては、内視鏡の先につけたナイフで傷あとを切り開き、尿道を広くするケースもあります。尿道形成術に比べて難易度が低く、さまざまな病院で導入されているため、住んでいる場所を問わずに受けやすいのがメリットです。
デメリットは、金属の棒や風船を挿入する際に尿道が傷つき、治療を受ける前よりも尿道狭窄症が複雑になるおそれがあることです。尿道形成術に比べると成功率は低く、治療が完了するまでに長い期間を要します。
尿道狭窄症を治すには、状態が悪化する前に治療を受けることが大切です。少しでも尿が出にくいと感じたらすぐに病院を受診して、原因をつき止めたうえで適切な治療を受けましょう。
参照元:日本医事新報社