この症状もしかして前立腺がん?正しく理解して前立腺がん予防 » 前立腺がんの初期~中期症状

前立腺がんの初期~中期症状

こちらのカテゴリーでは、前立腺がんの初期から中期にかけて見られる症状について解説しています。

前立腺がんの症状の現れ方

発症初期にはほぼ症状が無い

前立腺がんを発症した初期では、自覚症状はほとんど現れません。尿道から少し遠い辺縁域で生じるため、体がなにかしらの影響を感じ取れるようになるまで時間がかかるのです。がん腫瘍の大きさが約2センチほどになると、自覚症状が現れるため異変に気づけるようになるでしょう。 初期の頃は、PSA検査と呼ばれる血液検査によって、前立腺がんを早期発見できる場合があります。検診のオプションでつけることができるので、定期的に検査を受けてくださいね。

排尿に影響が出てきたら要注意

前立腺がんが大きくなると、尿道を圧迫するため尿が出にくくなったり、逆に回数が増えたりします。また、残尿感を強く感じることもあるでしょう。ちなみに、健康な成人男性の排尿回数は1日7~8回。これよりも回数が多い・就寝前や就寝中に何度もトイレに行ってしまうと言う方は、がんの疑いがあるため早めの検診をおすすめします。しかし、これらの症状は前立腺がんに限らず、前立腺肥大でも現れます。

尿漏れや血尿が出てくるとがんが進行している

がんが進行し、尿道や膀胱にまで広がると尿漏れや血尿、まれに血精液症(精液に血が混じる)などが起こります。尿道の遠いところでできていたがんが大きくなり、尿道を圧迫したり精嚢線と言うところまで広がったりして起こる症状です。血尿や血精液症などは肉眼で確認できる症状の1つです。それまで自覚症状が無かった方でも、体に異常が起きていることが分かるため、すぐに医療機関を受診するようにしましょう。

むくみや下半身まひは転移の可能性

前立腺がんが背骨や腰骨、骨盤などの骨やリンパへ転移すると、足が動かしにくくなったりむくみやすくなったりします。さらに症状が進行すると、運動機能に障害が出たり下半身がしびれてまひしたりしてしまうことも。 がんが広範囲に広がっている状態になるため、リンパへの転移時は全身療法の1つであるホルモン療法、骨転移の場合は放射線を使った治療と投薬を併用して治療していきます。

前立腺がんの痛みとはどんなものか

初期の痛み がんが発生した初期は、自覚症状が無いことから痛みも感じません。この時期にがんを見つけるには、検診を受けることです。前立腺がんは進行が遅めのがんのため、早期発見できれば生活の質(QOL)を保った治療が行なえます。

中期の痛み

尿道が圧迫されることで排尿障害を生じますが、痛みを感じるまでには至らないことが多いようです。しかし、血尿や血精液症といった目視で分かる症状が現れるため、異常を察知できます。 前立腺がんの場合、血尿が出るときの前触れや痛みなどをほとんど生じません。血尿が出たときに脇腹が痛む場合は、尿路結石の可能性があります。

末期の痛み

  • 骨転移の場合

    前立腺がんは背骨や腰の骨、骨盤などへ骨転移を起こしやすいため疼くような痛みが現れます。背中や腰が強烈に痛むこともあるようです。 また、仙骨あたりに転移した場合は、会陰部や太ももの裏側などにずきずきと疼くような痛みが現れるでしょう。 同時に骨がもろくなり骨折しやすくなるので、歩行の際は転倒しないように注意が必要です。

  • リンパ節転移の場合

    リンパ節へがんが転移した場合は、痛みよりむくみを生じるようです。リンパ管が静脈を圧迫するために起こります。

水腎症を併発した場合の痛み

水腎症は腎機能が低下して老廃物を排出できなくなる病気です。水腎症を併発すると、腎臓が背中側の腰より上にあるため、腰や背中、脇腹に痛みが出やすくなります。骨転移の場合は骨自体が痛みを生じるので、水腎症の症状とは異なるでしょう。 前立腺がんが原因の水腎症には、3つの発症ルートがあります。

  • リンパ管へ浸潤したがんが尿管を圧迫して排尿できないため
  • がんが腎臓へ浸潤したため
  • 排尿障害により残尿が増加してしまうため
  • 前立腺がんの治療を進めると、症状が改善していくでしょう。

こんな症状の方は注意!

前立腺がんはなかなか自覚症状が現れず、末期で見つかるというケースもよくあります。しかし、日頃注意し、いち早く病院で診察を受ければ、初期で発見できて治療ができるのです。

具体的には「尿が出にくい、出ない」「尿が近い、回数が多い」「精液が赤い」というような症状が見られます。

これらの症状が見られるからといって前立腺がんだと決めつけることはできないのですが、それでも前立腺がんが原因となって症状が起きているケースもあるのです。

まずは、少しでも違和感があったら病院で診てもらうようにしましょう。

尿が出にくい、出ない

おしっこが出にくい、あるいは出ないという症状は、前立腺肥大や急性前立腺炎、神経因性膀胱、尿道狭窄などさまざま考えられますが、前立腺がんの初期でもこうした症状が見られます。

前立腺が大きくなって、尿道が圧迫されるのが原因です。他の症状と見分けがつきにくく、前立腺肥大と思い込んでいると前立腺がんの発見が遅れることにもなりますので、注意してください。

尿が出にくい男性の前立腺がん初期症状を詳しく

尿が近い、回数が多い

尿が近い、回数が多いという症状は、特に高年期の方によく見られます。また、利尿作用があるコーヒーやお酒の飲み過ぎ、緊張などで一時的にトイレが近くなるということは、多くの方が経験したことがあるかと思います。

一時的におしっこが近い、回数が多いという場合はそれほど心配はないのですが、「最近異常にトイレが近くなった」「異常に回数が多くなった」という方は要注意です。

排尿の量やトイレの回数は目安が決まっています。こちらのサイトではそういった目安もご紹介していますので、頻尿の自覚症状があったら、まずはチェックしてみてください。

尿が近い男性の前立腺がん初期症状を詳しく

精液が赤い

赤い精液が出るとびっくりされるかと思います。殆どは性病や尿結石、炎症などの血精液症あるいは特に異常がない突発性血精液症ですが、前立腺がん患者でも精液が赤くなるという症状は見られます。

特に高年期で、上記のような「尿が出ない」「尿が近い」という自覚症状もある方は要注意です。

また、併せて性交や妊娠への影響についても解説しています。

精液が赤い前立腺がん初期症状を詳しく

前立腺がん体験者の声

前立腺がんはどんなきっかけで見つかるのでしょうか?どんな流れで治療が進んでいくのでしょうか?また、前立腺がんになったときに、どんな気持ちになるのでしょうか?普段健康に過ごしている方にはなかなかイメージがしづらいものです。

そこで、実際に前立腺がんの治療をつづけていらっしゃる方の体験談を掲載しています。

前立腺がんが発見されるまでの経緯、治療の流れ、発見後の生活習慣の変化や気持ちの変化など、リアルな体験談をお送りします。

一度、「前立腺がんになったらどうすべきなのか」「がんが見つかったらどういう気持ちになるのか」を知って、日頃からリスクに備えていただければと思います。

前立腺がん体験者の声を詳しく