前立腺がんを改善したい人のための情報サイト
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PSA監視療法がどのような治療方法なのかについて解説しています。
前立腺がんの進行具合の基準である「PSA値」を定期的に測定し、1~2年ごとに生検を行いながら、がんが進行・悪化したと判断されるまで治療をしない待機療法のことです。別名、監視的待機療法、無治療経過観察とも呼ばれています。
元々のPSA値により異なりますが、基本的には3ヵ月に1度、数値の変動があった場合には、1ヶ月ごとに再検査を行います。PSA値は1回だけの値ではなく、定期的な数値の変化で判断してすることが大切です。
66歳で前立腺がんと診断され、2003年からPSA監視治療を開始します。以後8年もの間、がんは進行せずに無治療と観察のみ。また、この8年の間に3回の前立腺生検を行い、がんの進行がないことは確認済みです。
このケースのように、監視療法は観察中には治療を行わないものの、病期の進行をいち早く知ることで、適切なタイミングで積極的治療を開始することができます。
監視療法の大きな特徴は2つあります。1つ目は積極的治療法の開始までの時間を遅らせることができること。2つ目は積極的治療法による副作用を避けることができることです。この2つの特徴により得られるのが、QOL(生活の質)の維持。適切な時期までの間、健康的な暮らしができることが監視療法を選ぶ理由になると言えます。
前立腺がんではPSA値、グリーソンスコア(腫瘍の悪性度)、病期(がんの広がり)によりがんの死亡リスクが3段階に分けられています。
リスクの分類で「低リスク」と診断された前立腺は、すぐに治療を開始せずとも死亡率が変わらなかったという北欧の研究報告があるようです。つまり、低リスクのがんは当面の間は命に関わらないといえます。つまり「低リスク」の状態であることがPSA監視療法に選ばれる状態です。
手術や放射線治療、ホルモン療法において、副作用や後遺症といった影響はゼロではありません。例を挙げると性機能が十分にあった場合でも、治療後の勃起不全によりQOL(人生の質)が下がってしまう恐れがあうのです。特に高齢の方の場合は、治療による合併症により極端に下がる恐れがあるため、患者のQOLをキープできるASP監視療法は選ばれやすい傾向にあります。
PSA監視両方の最大のメリットは、直接治療を行わないので合併症の恐れがいないことです。その他にも様々なメリットやデメリットがあるのでご紹介します。
PSA監視療法は始めの検査で生検とPSA値で身体の状態を判断し、進行の遅い低リスクながんだと判断されたときに監視療法という選択ができます。そしてPSA値は約3ヵ月に1度、生検であれば1~2年ごとに検査を行い、大きな変化がなければ監視療法を継続。検査結果でがんが悪化・進行した場合には前立腺の全摘出手術や放射線療法、ホルモン療法などの積極的治療法に移行します。
必要性を判断して治療を行うので、高齢者の中には治療を行わないまま天寿を全うすることもあるようです。
PSAとは前立腺特異抗原(prostate-specific antigen)の略語で、前立腺の上皮細胞から分泌されるたんぱく質の一種です。
基本的には精液の中に分泌されており、精液のゲル化に関係している成分でもあります。この成分がごくわずかに血液中に取り込まれ、その値により基準値よりもPSAが高いと判断されることもあるようです。一般的にPSAが高いと言われるのは基準値が4ng/mL。検診などでは若い方に限り、基準値を低く設定することがあるようです。
前立腺がん以外にもPSAが高くなる原因として、前立腺肥大症、前立腺炎といった疾患が考えられます。この中でも最も重要な疾患と言えるのが、前立腺がんです。PSA値が高くなればなるほど、前立腺がんの発見率が高くなります。
PSA値が高いと判断され始める4ng/mLでも、すでにがんの発見率は約30%に上ります。PSA値が40ng/mL以上の場合はがんの発見率ほぼ100%です。少しでも高いと判断された場合には、下手に放置せずに泌尿器科専門の施設に足を運び、精密検査が必要になるのかを相談することをおすすめします。