前立腺がんを改善したい人のための情報サイト
前立腺がんを改善したい人のための情報サイト
小線源療法がどのような治療方法なのか解説しています。
がん細胞へ働きかける治療として放射線療法があります。体の外から照射する「外照射」ではなく、前立腺の中へカプセル状の線源を挿入のが、小源線療法です。ごく小さな線源を、前立腺へ50〜100個埋め込む治療法。線源からたった1cmでも距離があると、ほとんど放射線の影響はありません。
そのため配置場所は事前にコンピューターで確認しながら、他の臓器への影響が少なく且つ治療効果の高い場所を選択。放射線量は少しずつ減っていき、1年後には放射線が出なくなります。前立腺がんだけをピンポイントに照射できる、安全性の高い治療です。
日本では2003年7月に認可された、まだ新しい治療法。しかしアメリカでは30年以上の歴史があり、治療から10年後の再発率などのエビデンスも揃っている確立された治療法です。 また国内においても、順天堂大学医学部付属順天堂医院では、295症例の小線源療法の治療成績について「2004年から2012年にかけて、前立腺癌では誰も亡くなっていない」と発表しており、国内においても高い治療効果が期待できます。
チタン製のカプセルの中に、ヨウ素125と言う放射線同位元素を密閉したシード線源を永久的に埋め込みます。サイズは5mm×1mmと小さいのが特徴。放射線エネルギーが弱いため、照射範囲は数mm程度です。前立腺内だけで吸収されるので、前立腺の外へ放射線が漏れる心配はありません。
かつてはイリジウム129を一時的に留置する手法が取られていましたが、現在ではヨウ素125を用いた治療の方が負担を最小限に抑えられると考えられています。
線源のすぐ近くにしか放射線が届かないため、早期のがんである限局がんに対して実施されます。
前立腺がんの代表的な治療法として、手術や外照射が挙げられます。これらと小線源療法の5年非再発生存率を比較すると、全て89〜90%の高い治療成績を示しており、手術方法で差は見られませんでした。
しかし、手術や外照射療法では術後の副作用でQOLが下がる可能性は高いことに比べると、前立腺がんだけに照射できる小線源療法は体への負担が少ない上に高い効果を期待できる、メリットの大きい治療法だと考えられます。
かつては小線源を一時的に留意する治療でしたが、現在は密閉する放射線同位元素を、1年で効果のなくなるヨウ素125にすることで取り出す必要がなくなりました。挿入にかかる時間は数時間、入院期間も4日程度と短く、治療負担を抑えられるのが、小線源治療の最大の特徴だと考えられます。
前立腺内にがんが止まっている限局がんの場合、小線源療法を選択できます。
がんの進行度合いを、PSA値やグリソンスコア、ステージなどから判断。以下の基準に当てはまる場合、治療対象になります。
術後のQOLに及ぼす影響が特に少ない治療なので、がんが進行しておらず治療の選択肢が広い場合には小線源治療は積極的に選択されます。
また国内ではまだ一般的な治療ではありませんが、高リスクな前立腺がんに対しては、外照射と小線源療法を併用して照射線量を増やす治療もあります。
限局がん出会っても、医師の判断により「安全に実施できない」とされると、他の治療法が選択されます。治療が難しいケースとして主に挙げられるのが、以下の2つの理由です。
小線源療法で使用できる線源の数には制限があるため、前立腺が大きい場合には必要量が制限を超えてしまい、技術的に難しくなります。その際、前立腺を縮小させるために3〜6ヶ月のホルモン療法を先に実施。それでも十分な縮小が難しい場合は、小線源治療へ進むことができません。
前立腺肥大症の手術を受けた人の中には、前立腺が大きく削られてることでシードの留置が難しいケースがあります。
放射線を前立腺の中へピンポイントに照射できるため、尿道や直腸への影響を抑えながら大きな治療効果を期待できるのが、最大のメリット。
また性機能への影響も比較的少ない治療法です。他にも、小線源療法のメリットとデメリットをまとめました。
他の治療法と比べて重篤な合併症が少ないと言われていますが、以下の合併症が数ヶ月続くことがあります。
4日間ほどの短期間の入院で治療できる小線源療法。前立腺の中に留意される小線源から外部への放射線の影響はほとんどありませんが、妊婦や乳幼児と接触する際には注意が必要です。また治療から1年は万が一の事態に備えて、体内に小線源があること知らせるためのカードを携帯します。
参照元:順天堂大学医学部付属順天堂医院泌尿器科 前立腺がんの小線源療法
参照元:日本メジフィジックス株式会社 前立腺がんに対する小線源療法の可能性
参照元:関西電力病院 前立腺癌小線源治療(ブラキセラピー)について