前立腺がんを改善したい人のための情報サイト
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前立腺がんの発見にはPSA検査がよく用いられます。その方法や効果、費用などをまとめました。
まず、PSAとは何かということをご説明します。PSAとはprostate specific antigenの略で、日本語にすると「前立腺特異抗原」という難しい名前のものです。
PSAは前立腺からしか分泌されないタンパク質なので、血中のPSA濃度が高い場合、前立腺に何らかの異常があると考えるのが一般的。「何らかの異常」にはさまざまな症状がありますが、それらの中の一つに、前立腺がんがある、という位置づけです。
よって、たとえPSAの血中濃度が高かったとしても、かならずしも前立腺がんとは限りませんが、前立腺がんの早期発見に役立つ一つの検査法として、健康診断や人間ドックなどでは広く行われています。なおPSA検査は、わずか1mlほどの血液があれば行うことができます。
どの程度のPSA値になれば、どの程度の確率で前立腺がんの恐れがあるか、という基準については、医療機関や研究機関、医師によって見解が大きく分かれます。
参考までに、都立大塚病院泌尿器科では、PSA値と前立腺がんとの関連について以下のような見解を採用しています。
なお、PSA値は年齢にしたがって徐々に上昇していくことが分かっています。日本人の平均的なPSA値は、以下のとおりです。
PSA検査は、これら年齢的な要素も加味したうえでおこなわれます。
前立腺がんは自覚症状が少ないため、発見が遅れる場合があります。自覚症状が出てから外来診察時に前立腺がんが発見された患者の40%は、すでに他の器官にがんが転移してしまっている状態でした。
一方、PSA検査などを受けた前立腺がん患者の60%は転移していない、早期のがんだったと言われており、近年では定期的にPSA検査を受けることが奨励されています。
前立腺がんに罹患した場合、PSA値は急激に上昇するのではなく、緩やかに上昇していきます。よって経時的なPSA値の変化を確認することは、前立腺がんの早期発見のために非常に大切です。
早期発見された前立腺がんで命を落とすことは、ほとんどありません。PSA検査を定期的に受けて数値の変化を把握することで、前立腺がんの早期発見に役立てていきましょう。
PSA検査は、前立腺がんを早期発見するための有効な検査手段です。 ただし検査の結果、高いPSA値が確認されたとしても、必ずしも前立腺がんとは限らないことも覚えておいてください。PSA値は、前立腺がん以外にも、前立腺肥大症や前立腺炎など、他の病気が原因で上昇することがあります。 また逆に、前立腺肥大症や男性型脱毛症の薬を服用している場合には、PSA値が本来よりも低下することがあります。
前立腺がんの早期発見を目的にPSA検査を受ける場合には、PSA値を本来の値に戻してから検査を受けるようにしてください。 たとえば前立腺炎を生じている場合、これを治療してPSA値を平常値に下げたうえでPSA検査を受けます。 逆に、たとえば男性型脱毛症の治療薬(プロペシアなど)を服用中の場合、いったん服用を中止してPSA値を平常値に上昇させてからPSA検査を受けます。
PSA検査は、自治体や職場の健康診断で受けることができます。もちろん人間ドックの検査項目にオプションとして加えることも可能です。 健康診断や人間ドック以外で個別にPSA検査を受けたい場合には、かかりつけの主治医に相談してください。かかりつけの診療科によっては、相談したその場でPSA検査を受けることができるでしょう。
自治体や職場の健康診断でPSA検査を受ける場合の費用は、無料~3,000円程度です。健康診断を主催する母体によって費用が異なるため、直接問い合わせてみましょう。 なお、健康診断や人間ドックとは別で、前立腺がんの疑いにより個別でPSA検査を受けた場合、検査費用は保険適用となります。
自覚症状がなくても、ご自分の大切な体を守るために、一度受けてみることをおすすめします。
参照元:前立腺がん 知っておきたい予備知識 PSA検査|アステラス製薬|なるほど病気ガイド