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喫煙・飲酒と前立腺がんの関係性

飲酒・喫煙が前立腺がんに及ぼす影響について紹介しています。

飲酒と前立腺がんの関連

国立がん研究センターが行なった研究によると、アルコール摂取量が多いほど前立腺がんのリスクが高いことがわかっています。

国立がん研究センターは、40~69歳の男性約5万人を対象に、摂取するアルコール量によって「飲まない(月に1回未満)」「時々飲む(月に1~3回)」、「たくさん飲む(月に3回以上)」の3つのグループに分類。グループそれぞれの前立腺がんの発生率を比較しました。その結果、たくさん飲むグループは飲まないグループと比較すると前立腺がんの進行リスクが1.51倍と高くなったことがわかったのです。

飲酒による前立腺がんのメカニズム

お酒に含まれるエタノールは、胃や腸で分解されてアセトアルデヒドになり、発がん性の高い物質へと変化します。さらにアルコールは前立腺がんのリスクが高くなる男性ホルモンの分泌を過剰にする働きを持っているため、がんの進行を促進する可能性が高くなってしまうのです。禁酒する必要はありませんが、お酒の摂取量を抑えて過度に飲まないように気を付けましょう。仕事の付き合いで毎日お酒飲む方でも、なるべく休肝日を設けることで前立腺がんのリスクを下げることが可能です。

喫煙と前立腺がんの関連

国立がん研究センターの研究で、タバコを吸わないグループと比べて吸うグループのほうが進行性前立腺がんのリスクが高くなるという結果が報告されています。また、アメリカの症例対照研究では、前立腺がんを発症した中高年の男性と前立腺がんを発症していない同年齢層を比較。その結果、タバコを吸うグループには悪性度の強いがんが増えるおそれがあると発表しました。

通常の前立腺がんは進行が他の部位のがんと比べると遅いため、治療しやすいのが特徴です。しかし、悪性のがんになると進行が早くなって転移しやすいので、早期に治療を開始する必要があります。

喫煙による前立腺がんのメカニズム

タバコには前立腺がんの進行を促進するホルモンを分泌させる成分が含まれています。喫煙によってその成分を取り込むと、前立腺がんのリスクを高めることにつながるので、注意が必要です。

喫煙者で尿が出にくくなったという方は、前立腺がんのおそれがあります。早期発見のためにも病院で診てもらいましょう。また、前立腺がんにならないよう対策を行なうことも大切。なるべく体にふたんをかけないように禁煙して、ホルモンバランスを整え前立腺がんリスクを抑えましょう。

喫煙や飲酒は前立腺がんを悪化させることがわかっていますが、禁煙・節酒することで前立腺がんの進行を遅らせることが可能です。特に禁煙すると循環器疾患のリスクが下がり、前立腺がんだけではなく肺がんの発症率を低下させることにつながります。がんへのリスクを避けるためにも禁煙・節酒を心がけましょう。

参照元:飲酒・喫煙と前立腺がんとの関連について | 国立がん研究センター