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長時間の自転車運転と前立腺がんの関係性

ここでは、長時間の自転車運転と前立腺がんの関係性について紹介します。

大学の研究で前立腺がんのリスクが高くなると判明

最近、流行りやエコの観点から自転車で通勤している方が増加しています。一見、健康に良さそうなのですが、50歳以上の男性が自転車で毎日通勤している場合、かえって前立腺がんのリスクが高くなってしまうのです。

英国ロンドン大学の研究グループが男性機能とサイクリングに関する調査を行なった結果、自転車に乗っている時間が長くなるほど前立腺がんのリスクが高くなることが判明しました。特に50歳の男性は1週間あたりの自転車を漕いでいる時間が8.5時間を超えると、3.75時間未満の方と比べると6.14倍に。週に3.75~8.5時間未満の方だと約3倍も前立腺がんのリスクが高くなることがわかったのです。

前立腺がんは50歳を超えると加齢とともに発症しやすい病気です。70代では10万人あたり約100人、80代では10万人あたり約200人という確率で発症しやすくなっています。それが自転車で通勤することでさらに前立腺がんのリスクが高くなってしまうというのです。50歳を超えて普段から自転車に乗っている方は、なるべく1日に1時間以上は自転車に乗らないように意識しましょう。

血流が悪化することも?

長時間自転車に乗っている場合、男性器周辺の血管が圧迫されて血流が悪化することもあります。海綿体に血液が運ばれず勃起しにくくなるため、EDにつながるケースも少なくありません。このことはアメリカ労働安全衛生研究機関の調査でも長時間の自転車運転が性的能力の低下をもたらす可能性があるとわかっています。

さらに鼠径部(そけいぶ)にかかる圧力について測定した結果、1平方センチメートルあたりに202~375gの圧力がかかっていると明らかになりました。男性器周辺の血流は1平方センチメートルあたり162gの圧力で悪化すると言われているため、長時間の自転車運転によるダメージはかなり大きいものだと言えるでしょう。

50歳以上の男性は特に意識しましょう

どうして自転車に乗ることが前立腺がんのリスクが高くなるのかについて証明されていません。今後、前立腺がんと自転車に乗る時間との詳しい関係性を調べる必要があります。ただし、自転車で移動している方は、「50歳以上の男性が8.5時間以上自転車に乗ると前立腺がんのリスクが高くなる」という研究データを頭に入れておいて損はありません。

50歳以上の男性は、今からでも前立腺がん・EDのリスクの軽減や予防のために、お尻が痛くなりにくいサドルに交換して、男性器周辺に負担をかけないように色々と工夫してみるのも良いですね。もしくは、普段から歩きや電車で移動するようにして長時間の自転車運転を避けるようにしましょう。

参照元:Mary Ann Liebert