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サメ軟骨

こちらのページではサメ軟骨の前立腺がんに対する有用性や効果、臨床結果、副作用の有無について記載しています。

サメ軟骨の概要

サメ軟骨とはその名の通り、海の魚であるサメの軟骨から抽出される成分です。「サメはがんにかからない」ということから、抗がん成分として注目されてきました。

アメリカやカナダでは、「腫瘍に栄養を与える血管を作るのを抑える」という働きがあるとして、医薬品として研究が進んできました。

しかし、思ったほど成果が出ておらず、研究がなかなか進んでいないとのことです。

サメ軟骨の臨床試験・安全性

抗がん効果としては動物実験などから次の3つの可能性が考えられています。
「直接のがん細胞を殺す作用」、「免疫システムを活性化する作用」、「がん組織の栄養血管を抑制する」作用です。

カナダで腎細胞がん患者を対象にした調査では、サメ軟骨を摂取した人は生存期間が延長できる可能性があることが報告されています。

副作用の報告有無

サメ軟骨を摂取することで副作用が起きたという事例はありません。

効果がなかった報告有無

アメリカでは、乳がんや大腸がん治療に対して有効性がなかったという研究結果が出ています。

また、進行がん患者にサメ軟骨を服用させても、抗腫瘍効果が認められなかったという報告があります。

後の研究でわかったのですが、実はサメも腎臓がんになるそうです。残念ながらサメ軟骨が必ずしもがんに効果があると言うのは難しいのかもしれません。

サメ軟骨の効果がなかった報告

ステージⅢ非小細胞肺癌患者への化学放射線療法との併用による全生存期間への効果

サメの軟骨から抽出されたAE-941は、新しい血管を作りだすはたらきを阻害することで、がん治療に役立つとされています。この試験では切除できない末期の肺がん(NSCLC)患者を対象に、化学放射線療法とAE-941を併用し、治療による生存期間の改善が見られるかどうかを調査しています。

379名の肺がん患者を対象に試験を行いました。試験では導入のための化学療法を受けた患者を2グループに分けてランダムにプラセボ(偽薬)とAE-941を投与し、胸部放射線療法と化学療法を併用した治療を実施。約5年8ヵ月の期間中に、生存期間・治療後の安定期間・安定期間中のがんの改善率・毒性の4項目を測定しています。

試験では、平均生存期間がAE-941を併用したグループとプラセボを併用したグループで大きな差がなかったと報告されています。治療後の安定期間・安定期間中のがんの改善率・毒性もAE-941とプラセボでほとんど差がありませんでした。 治療後の生存期間が改善されなかったことから、サメの軟骨を抽出した物質を化学放射線療法と併用しても、肺がんの治療には役立たないとしています。

進行がん患者におけるサメ軟骨の評価

補完医療または代替医療として用いられることが多いサメ軟骨を使い、進行がんに与える影響を調べました。臨床試験では標準的ながん治療を受けている進行がん患者が、サメ軟骨によって生存期間を伸ばせるかを判断しています。加えて、サメ軟骨の毒性や体にどのくらい影響するか、治療に伴う生活の質を評価しました。

試験は難治性乳がんまたは結腸直腸がんを患っている方83名で、臓器や身体の機能が大きく低下していない方を対象に実施。患者は標準治療とサメ軟骨製品の投与を行うグループ、標準治療とプラセボ(偽薬)投与のグループの2つにランダムに振り分けました。試験中はプラセボとサメ軟骨製品を毎日3~4回摂取させ、検査やQOLスコアを実施しています。

対象者のデータを分析したところ、サメ軟骨製品を与えた標準治療のグループとプラセボを与えた標準治療のグループで、全体の生存期間に差はありませんでした。QOLスコアの改善も見られなかったことから、生活の質にも影響しないと考えられています。サメ軟骨製品は進行がん患者への有効性を示すことができなかったと報告されています。

進行がん患者へのサメ軟骨の安全性と有効性

サメ軟骨製剤はがん患者や慢性炎症疾患の患者に使用されていますが、有効性を示す研究はあまり報告されていませんでした。近年がん治療の代替医療としてサメ軟骨の使用が増えてきたことに伴い、安全性と有効性を評価する試験を行っています。

試験中は治療歴のある進行がんの患者42名を対象に代替医療として、体重1kgあたり1gのサメ軟骨製剤を摂取してもらいました。治療前・治療6週間後・治療12週間後にがんの症状やQOL(生活の質)スコア、血液検査、免疫検査を実施しています。

代替医療を行った結果、10名の患者が安定状態を維持しましたが、6週目に22名、12週目に5名の患者に進行性疾患が発症。そのうち5名が死亡しました。試験中にがん細胞の縮小は確認できず、改善は見られなかったとしています。 また、サメ軟骨製剤を摂取したことで21名が副作用を起こしたことが報告されました。うち14名で胃腸関連の副作用が確認されています。

検査の結果、安定状態が見られた割合も、支持療法だけで治療している進行がん患者とほぼ同じことがわかっています。 このことから、代替医療としてサメ軟骨だけを与えても、進行がんを改善する効果は期待できないことがわかりました。

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参照元:サメ軟骨の効果・副作用の研究成果 | 癌・機能性成分の比較情報ガイド