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フコイダン

こちらのページでは海藻から採れるフコイダンについて解説しています。

フコイダンの概要

フコイダンは「硫酸化多糖の一種」というと難しいように感じますが、コンブやワカメ、もずくなどに含まれる食物繊維のことです。

特にメカブやもずくなどは表面に「ネバネバ」がありますが、このネバネバがフコイダンなのです。

海藻の他にも、ナマコのネバネバにもフコイダンが含まれています。

発見されたのは1913年と古い歴史があり、1970年代から健康成分として研究が進められていて、「抗がん」「抗炎症」「免疫力向上」「血管新生」という効果があるとされています。

海藻のネバネバが身体に良いとされているのは、フコイダンが含まれているからなのですね。

フコイダンの臨床試験・安全性

前章でご紹介した効果は、あくまで動物実験や培養細胞を使った実験レベルで、フコイダンの有用成分に関する報告は、疲労回復作用の報告はあるものの、国際データベースでは乏しいようです。

日本では化学療法を受けている大腸がん患者が摂取したところ、疲労が改善したという報告はあるものの、がん治療に対する有意な結果は出ていません。

また、抗がん剤の副作用を抑える効果は立証されていますが、がん治療に対しては効果が期待できるというレベルなのが現状です。

今後の研究が期待されます。

低分子化フコイダンについて

低分子化フコイダンとは、海藻に含まれるぬめり成分のフコイダンの分子を減らし、より分子の大きさを小さくした成分です。免疫増強や細胞死、新しい血管をつくりにくくする作用などがあると考えられていて、がん治療に役立つ成分として研究が進んでいます。普通のフコイダンよりも効果があると考えられており、一部のクリニックでは代替療法として低分子化フコイダンを用いているようです。 低分子化フコイダンは世界的な研究が少なく、国際データベースにはほとんど報告が挙がっていません。しかし、低分子化フコイダン研究の第一人者である白畑教授が所属している九州大学には多くの研究結果があります。日夜研究したデータをもとに、現在も新たな研究が進められているようです。

フコイダンの免疫力を高める作用

低分子化フコイダンを摂取すると、免疫細胞が活性化してがん腫瘍を小さくする効果が見込めます。詳しいメカニズムはわかっていませんが、現状は低分子化フコイダンに含まれる多糖体が菌類の細胞壁と似ているため、病原菌と勘違いして活性化すると考えられています。

また、実験で血液のがんといわれる白血病細胞に低分子化フコイダンを加えたところ、がん細胞が増殖せず減っていくことがわかりました。正常な細胞にはまったく影響を与えなかったことから、低分子化フコイダンはがん細胞の減少に役立つとされています。

ほかにも大腸がんの細胞を摂取したマウスに高分子のフコイダンと低分子のフコイダンを混ぜたエサを与え、経過を観察しました。高分子フコイダンでは初期に腫瘍が大きくなったのに対し、低分子化フコイダンでは腫瘍の大きさが変わらず、増殖を抑制していることがわかりました。生存日数も低分子化フコイダンのほうが長く、4週間で7倍以上のマウスが生存しています。

低分子化フコイダンの血管新生抑制作用

国際学術雑誌「Cytotechnology」に掲載された論文では、モズク由来の低分子化フコイダンに、がん細胞由来の新しい血管をつくりにくくする作用があると報告されています。 がん細胞は増殖するために栄養を確保する血管をつくりますが、もろく出血しやすいのでがん細胞の手術の際、大きな妨げになります。そのため、低分子化フコイダンが新たな血管をつくらせないようにすることで、がん細胞は栄養がとれず増殖できなくなるのです。

九州大学の白畑教授は論文で、ヒトの皮膚細胞と血管をつくる細胞を使い、低分子化フコイダンの抗血管形成効果を調べています。 研究では、血管をつくる細胞にがん細胞を加えて低分子化フコイダンで処理。すると、何もしていない細胞に比べて、血管の形成が明らかに抑制されました。 そのため、低分子化フコイダンにはがん細胞における血管形成を防ぎ、増殖できなくするはたらきが期待できます。

低分子化フコイダンの抗がん剤による副作用の軽減

低分子化フコイダンには、抗がん剤と組み合わせることで化学療法によって起こる副作用を軽減できる効果がわかっています。抗がん剤は正常な細胞・がん細胞にかかわらず活発に増殖する細胞に影響を与えるので体への負担が大きく、さまざまな副作用が起こっていました。これらの副作用をやわらげることで、抗がん剤の効き目が強くなると考えられています。

数多くのがん治療に用いられる抗がん剤と低分子化フコイダンを組み合わせた実験では、抗がん剤の副作用を軽減できるという結果が出ています。 抗がん剤として広く使われているシスプラチンは、有効性が認められており、現在の抗がん剤治療の中心といえる薬です。しかし副作用が強いことから、体質によっては腎機能障害を引き起こしていました。 しかし、シスプラチンと低分子化フコイダンを一緒に与えることで、正常な細胞へのダメージが減り細胞の死滅を抑制できることが明らかになっています。

副作用の報告有無

フコイダンを摂取することで副作用があったという報告はありません。

効果がなかった報告有

フコイダンの効果がなかったという報告はされていません。

有効成分は比較して選ぼう

残念ながら、フコイダンはがん治療や予防に対して明確な効果が立証されていません。

疲労を回復する、免疫力を上げる、炎症を抑えるという効果は期待できるので、間接的には効能があるかもしれませんが、それも未知数です。

がん治療や予防をサポートする成分を探すなら、どの成分にどんな効果があって、科学的に効果が明らかになっているかを比較することが重要です。

こちらのサイトでは、みなさんが比較しやすいよう、成分それぞれの特徴をまとめています。

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参照元:フコイダンの効果・副作用の研究成果 | 癌・機能性成分の比較情報ガイド