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アガリクス

アガリクスの効果や臨床試験・安全性、副作用などをまとめました。

アガリクスの概要

健康食品の中で知名度が高いアガリクス。ハラタケ科のきのこで、世界各国に自生しています。

1990年台に腫瘍を防ぐ効果や、血糖値を下げる効果があるとして、健康食品としてブームとなり、乾燥させたものや粉末にしたもの、サプリメントなどが販売されました。

アガリクスから抽出される、抗酸化作用があると言われている「α-βグルカン複合体」や、体への吸収率が高い「ABMK-22」が有効成分としてよくサプリメントに使われます。

アガリクスの臨床試験・安全性

「がんが治る」とも言われていて、実際にがん患者を対象にした臨床試験の結果が、国際データベースに登録されているくらいです。

一方で、抗がん効果がなかったという研究結果も出ていて、がん治療の特効薬とはされず、あくまで健康補助食品という位置づけになっています。

『アガリクス抽出エキス飲用のアンケート調査』では、日本でアガリクス製品を飲んでいるがん患者に調査したところ、「満足している」という患者の割合が多かったという結果が出ています。

また、日本や韓国において、アガリクスを摂取している人のほうがQOL(クオリティ・オブ・ライフ:生活に対する満足度)が高かったという結果が出ています。

アガリクス関連のヒト臨床研究報告

寛解状態の癌患者のQOLに対する効果

この研究では、がん細胞が縮小または消失している寛解状態の患者にアガリクス製剤を服用させ、生活の質(QOL)が改善したかどうかを確認しています。

対象者には、6ヵ月間アガリクス製剤(1.8g)1~3袋を毎日摂取してもらいました。調査前と調査後に健康調査アンケートを実施して、生活の質が改善されたかどうかを判断しています。調査では試験を開始した時期と、アガリクスを摂取して6ヵ月後のアンケートスコアの差をもとに改善度合いを評価しました。

その結果、身体的・精神的のどちらでも、QOLが明確に改善されたことがわかっています。最も効果が高かったのは1日2袋のアガリクス製剤を6ヵ月間摂取した方で、身体・精神ともに生活の質が向上したと報告されました。

患者の性別によって多く改善された項目は異なり、男性では身体的な生活の質、女性では精神的な生活の質が上がりました。また、年齢別で分析した結果、65歳以下の方では精神的改善が多く、66歳以上の方では身体的改善が多く見られています。

このことから、アガリクス製剤を毎日服用することによって、患者の生活の質を改善できる効果が期待できます。

アガリクス抽出エキス飲用のアンケート調査

アガリクス抽出物を摂取した患者に対してアンケートを行い、その効果を確かめました。試験ではアンケート調査票を作成し、アガリクスを服用している日本人のがん患者782名に送付。がんの病歴やアガリクスの摂取量、およびその効果を調べています。

アンケートの内容を分析したところ、幅広い年齢層のがん患者ががんと診断された後にアガリクスを服用していました。服用した方はほとんど効果について良い意見を述べていましたが、特定症状の緩和よりも精神や肉体面で健康が得られたという報告が多くあります。そのため、アガリクスの服用は症状の緩和よりも、がん患者の生活の質を上げるはたらきが強いとされています。

この調査において、がんを患っている方がアガリクスを使用することで、治療において良い効果が得られることがわかりました。今後研究が進み確実な効果が確認されれば、アガリクスはがん治療における補完代替医療として有効だと考えられます。

また、このアンケートの結果からアガリクスの効果を解明するための条件が導き出されており、今後の医療に大いに役立つはたらきが期待されているようです。

婦人科癌患者のNK活性・QOL改善作用

アガリクスキノコから抽出された製剤は、細胞の突然変異を防ぐ効果や抗腫瘍効果を持っていることがわかっています。この試験では、化学療法を受けているがん患者の免疫機能と生活の質(QOL)に対し、アガリクス製剤がどんな影響をもたらすか調査しました。

試験では対象者の子宮頸がん・卵巣がん・子宮体がんを患っている方100名を2グループに分け、アガリクス製剤を摂取するグループとプラセボ(偽薬)を摂取するグループをつくっています。その後、対象者にはアガリクス製剤の摂取・プラセボの摂取にかかわらず、抗がん剤を使った化学療法を3週間実施。様子を観察しています。

試験後に検査したところ、アガリクス製剤を摂取したグループはプラセボを摂取したグループに比べて異常な細胞を攻撃する免疫細胞(ナチュラルキラー細胞)のはたらきが強くなったことが報告されました。しかし、2グループの間で免疫細胞の数に差はなかったことが明らかになっています。

また、化学療法による食欲不振や脱毛、全身衰弱などの副作用がアガリクス製剤の摂取によって改善されたとのこと。

この結果から、アガリクス製剤は化学療法を受けている婦人科がん患者に良い効果をもたらすことが示唆されました。

副作用の報告有無

がん患者がアガリクスを服用した後、重篤な肝障害に陥ったという事例が日本で3件あります。

効果がなかった報告有無

ノルウェーにおいて、アガリクスを摂取するとインターロイキン(白血球の活性を示すタンパク質)の値は上昇したが、免疫細胞が増えたのが要因で、有意な効果が見られなかったという研究結果が報告されています。

他の成分との比較が重要

健康食品を購入する際には、他の成分との効果や安全性、副作用の有無などを比較することが重要です。

こちらのサイトでは、7種類の健康成分を詳細に比較していますので、参考にしてみてください。

前立腺がんとその他がん対策に用いられる成分を確認

参照元:アガリクスの効果・副作用の研究成果 | 癌・機能性成分の比較情報ガイド

参照元:PubMed

参照元:寛解|国立がん研究センターがん情報サービス